| 免責事項 | 時事(ニュース)解説一覧へ



今回は、8月から10月にかけて刊行した4冊の新著の紹介です。

日本人には、極端に自信過剰になったり、逆にひどく自虐的になったりするがありますが、そんな子どもっぽい思考はやめて、自分たちの国が世界の国々と比べて、どんなところがよい国なのかどうかを知り、長所を伸ばし、弱点があるとすれば克服することに努めるのが前向きな姿勢です。
そこで、この国はどんなところが良くて、どのような克服すべき課題があるのかを、私なりに30項目について、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、韓国、ロシア、中国と世界主要110カ国ということで一〇段階の通信簿をつけて、「本当はスゴい国?ダメな国?日本の通信簿」(ソフトバンク新書)という本にしてみました。
どの項目にどの程度の比重をつけるかという問題があるので、各項目の点数を足しても総合点にはならないが、試みに計算してみると、英仏独にスウェーデンを加えた四カ国がトップで、日本、アメリカ、イタリアがその次、韓国はもう少し下で、ロシアや中国は同じ土俵では比べられないといったところです。
ヨーロッパ四カ国に比べて、日本、アメリカ、イタリアの点が低くなったのは、上位国と比べて優れた分野の数はそれほど変わらないものの、項目によっては、非常に低い点もあって、しかも、それがいつになっても改善されない。その原因はいずれも政治の貧困だというのがひとつの結論です。

現代の日本でも、宮沢から鳩山まで12人の宰相で村山首相をのぞいて政治家の子どもです。この政治家の世襲をテーマに、明治時代の第一回総選挙からの全容を47都道府県すべてについて詳細に明らかにし、そのメカニズムと問題点を論じたのが本書です。できる限り、地方政治家の係累なども含めている。
これまで、部分的に語られていたことの全体像を白日の下に明らかにした画期的な書物だと自負しています。
また、野田首相を生んだ松下政経塾については、世襲政治家の天国に風穴を開けた功績を評価する一方で、「ほどほどの政治家」の「促成栽培」が果たして松下幸之助翁がめざしたところに合致したものになっているかはいささか疑問だとしています。松下政経塾員の吉田健一氏の協力を得ました。

天安門事件のころに中国科学院との研究協力をまとめ、細川政権の頃に中国担当課長をつとめていたころから研究してきたことの集大成です。三皇五帝以来の中国史と、現代の諸問題の両方を扱った欲張った本です。
これまでの媚中嫌中といったステロタイプな中国観にとらわれず、歴史的には中国国家のとらえ方は大きく揺れ動いていること、逆に現在の中国の領土は世界から近代的な条約で保証されたものであり、それを出発点にすべきであること、自立運動については、世界各地にあるそれと同じようにとらえればよいといったことを基本にしています。
中国が世界一になると何が起きるのか/中国の繁栄はいつまで続くのか/中国の名は百年、国家の歴史は四百年/アヘン戦争に始まる中国・失敗の本質/市場経済下における毛沢東の評価/中国は侵略的な軍事大国になる?/靖国問題や南京事件になぜこだわるのか/辺境の北京がなぜ中国の首都?/中華料理はB級グルメ?/なぜノーベル賞受賞者が少ないのか?/中国人の国民性とは? などが内容です。
また、三皇五帝から胡錦涛までの全支配者の詳細なリストや興味深い歴史地図を多く含んでいます。

「本当はスゴい国?ダメな国?日本の通信簿」でも日本のいちばん優れた点として「国家の安定性」を上げましたが、中国人が刹那的になりがちなのに、日本人が落ち着いた振る舞いができるのは、国家としての統一と独立が強固なことが根本にあります。
そしてその根本には、四世紀の大和朝廷による統一以来、万世一系で連綿と続いてきた天皇制があり、黒船がやってきた危機も「尊皇攘夷」で乗り切ったのです。その間に皇位継承にも様々な問題がありましたが、歴史マニアがおもしろおかしく語るような謎などあまりなく、正統性を確保する真摯な努力でまっとうな継承が行われてきたことを論じています。
また、皇室典範の改正問題について、詳細で具体的な提案をしてあります。出版社の性格上も、どちらかというと、保守派の読者を念頭に、しかし、国際的にも立場の違う人にもアピールする論理の必要性も強調して、書いたものです。




評論家
コーポレートガバナンス協会理事
1951年滋賀県大津市生まれ
1975年東京大学法学部卒業後、通商産業省に入省。
1980年には、当時から行政の最進国であったフランスの国立行政学院(ENA)に留学し、ジュルス県庁、工業省、フランス電力、クレディ・リヨネ銀行にて行政を研究。
以後も留学で得た知識を実際の国内行政に活かし、通商産業省大臣官房情報管理課長をはじめ、数々の役職・任務を果たす。1997年に通商産業省を退官後、実際の行政の実情と経験から問題点を指摘できる数少ない論客員として、テレビの対談番組への出演や本の出版など、幅広く活動。
現在、コーポレートガバナンス協会理事のほか、徳島文理大学教授
[八幡へのメール]
yawata88@mx.biwa.ne.jp








当サイトに掲載されている文章・写真は本サイト、もしくは第三者の権利のもとに帰属します。
当サイトに掲載されている文章・写真の許可なき複製・使用を禁じます。
Copy Right with www.yawata48.com